在宅って施設もあるの?外来しか知らなかった私が施設在宅をやってみた話

「薬剤師として一番やりがいを感じた場所」という文字が入ったアイキャッチ画像(薬剤師と多職種連携のイラスト)

在宅業務、気になってはいるけれどハードルが高そう。そう感じていませんか?

在宅業務もやって当然な流れになってきているよね。

実は在宅には個人宅訪問だけでなく、施設在宅という働き方もあります。
計画的に動けて、チームの一員として薬剤師の力を発揮できる世界です。

でも正直に言うと、施設在宅は調剤薬局らしさとは少し違う世界でもあります。
流れ作業的になることもあるし、施設専門で受けている薬局は特殊な環境です。

思い切って飛び込んだ在宅調剤薬局の経験は本当にやってよかった。
そして、何よりもやりがいがあって楽しかったんです。

それでも私がやってみてよかったと思っているのは、
外来だけにいたら絶対に気づけなかった薬剤師としての面白さに出会えたからです。

関連記事:個人在宅の話はこちらの記事で紹介しています。

目次

施設在宅は個人在宅とここが違う

薬瓶と処方箋を持つ女性薬剤師のイラスト(背景に集合住宅と戸建て住宅)

在宅と言っても、個人在宅と施設在宅に大きく分かれます。

私は、どちらも扱っている薬局にいた経験があります。
ここでは、施設の良かった点にフォーカスしますね。

施設在宅のおすすめポイント!施設在宅個人在宅
スケジュール往診予定が固定されていて
見通しが立てやすい
月によって訪問曜日が
変わることもある
家庭との両立しやすい
時間外対応は緊急時以外ほぼなし
やや読みにくいことも
急な連絡が入ることがある
仕事のリズム一定で途切れにくい
流れ作業的になることも
外来に近い流れ
処方箋の波がある
往診同行あり
処方医と直接関われる
最大のチャンス

「調剤薬局らしさ」とは少し違う世界かも。
機械化などもされている部分が多い印象もありますね。

施設によって雰囲気は全然違う、薬剤師の仕事はどこも同じ

高齢の患者さんに薬を説明する女性薬剤師のイラスト(薬の循環とサポートのイメージ)

施設といっても、さまざまな形態があります。
ここでは私の経験したことのある施設での実際の経験談3つをお伝えしようと思います。
施設や対応する薬局により、本当に変わってくるのであくまでも経験談です。

特養との関わり:看護師・ケアさんとの連携が命

特養とは特別養護老人ホームのことを指します。
特養では施設の看護師さんが一番患者さんのことを知っています。

処方医からの情報はもちろん大切です。
往診はしても全員にじっくり時間をかけることはできません。

なので、施設にいる看護師さんと話せる時間は情報入手の貴重な時間です。
他院受診のスケジュールや臨時で出る薬の際には患者さんの体調変化などをさりげなくチェックしていきます。

粉砕・分割の可否の確認も多く、施設ごとの分包ルールに合わせることも重要です。
飲み間違いを防ぐための細かい工夫を、スタッフさんと一緒に考えていきます。
別に分包するもの、分包した薬の重ね方の順番、用法による色分けなど、細かいことはたくさんあります。

看護師さんとの連携が本当に大切だなって感じたのは特養です。
要求もなかなかハードだったけれど、間違いなく利用者さんに薬が届くための必要な工程だったりするので勉強になりました。

往診同行:処方を一緒に作る緊張感とやりがい

往診同行とは、医師が往診する際に薬剤師も同行する施設往診の形態のことを言います。
医師、看護師、施設スタッフ、利用者(患者)さん、薬剤師といった形で往診が進みます。

「医師にその場で処方提案をして、それが採用された瞬間」や
「多職種チームの輪の中に薬剤師として必要とされている実感」など、
薬剤師として認められた達成感と専門性を活かせる瞬間が感じられます。

同行しているときは、薬剤師は何をするの?

往診前、往診時、往診ごとすることがそれぞれあります。

往診前

往診前の準備が、当日の動きを左右します。

薬歴・薬の在庫状況・変更の予測まで頭に入れて臨みます。
前回の往診での会話も参考にしながら、「今回はこの薬が変わるかも」と予測を立てておくのがポイントです。

理由があって飲めていない薬があれば、施設スタッフと事前に話をして情報を集めておきます。

往診時

医師からの薬剤への質問には、その場で答えます。

残薬があれば報告して日数調整を伝え、下剤などの増減はその場で計算して日数を割り出します。
処方反映は「今の薬がなくなってから」ではなく、「次の服用分から」が基本です。

処方反映は「次の服用分から」が基本。
緊張するけれど、準備が活きる瞬間はやりがいしかありません。

往診後

処方箋を受け取って、調剤がスタートします。

できる仕事はその場で対応して帰ります。スピードも施設在宅の大事なスキルのひとつです。

薬局内の仕事:機械化が進んでも薬剤師の目は外せない

ピッキング・一包化・監査は機械化が進んでいます。
では、薬剤師は不要なのでしょうか?そんなことはありません。

処方箋の変更点を読み解くのは薬剤師にしかできません。
前回との違いを確認し、必要であれば疑義照会をかけて処方を確定させます。

医師や施設スタッフから聞いてない変更で変だなと思ったら「確認してみる」くらいのスタンスでちょうどいい。
残薬対応も、なぜ飲み残しているのか原因まで考えて報告することが大切です。

薬を作るところは工場のように回すことができるけれど、
薬剤師が関わる部分は要所なんだね。

まとめ

薬剤師を中心に、医師や看護師、介護スタッフなどの多職種が連携しているイメージイラスト

特養、グループホーム、高級老人ホームなど担当した経験がありますが、
規模や雰囲気も全て違うけれど、薬剤師としてすることは基本は同じです。

薬を通して、患者さんと繋がれる。
施設スタッフとの連携で間違いなどを見過ごさずに業務を遂行するのがとても面白いところ。

施設ってやっぱり大変そうだなって思ってしまうな。

大変なのはどの仕事も一緒!

施設の大変なところといえば、

  • 一度に大量の処方箋を受け取るところ
  • 施設ごとの細かなルールに対応する
  • 一包化のやり直しのチェック

施設在宅では、工場化を活かしてどんどん仕事を進めていけるのがいいところです。

患者さんとは直接話せなくても、身近にいるスタッフさんとの
連携により外来より近くで仕事ができる感覚でした。

施設在宅は、外来とも個人在宅とも違う世界です。大変なことはもちろんあります。
でも私にとっては、薬剤師としての外来では味わえない快感でした。

私は本当にやりがいと楽しさしかなかったです。
施設在宅に関わるのことはぜひおすすめしたいです。

施設在宅が気になっているなら、経験しておいて損はないと思っています。

関連記事:
なぜ私がここまで施設在宅にハマったのか、その詳しい経緯はこちら

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