
在宅業務、できればやりたくないな。
在宅をやりたくないと思ったことが、私にもあります。
パートなのに、在宅をほぼ一人で回していた時期。訪問先の環境が、不快だったとき。
一方で、末期の方に毎日のように緊急で麻薬を届けていたときは、嫌だとは思いませんでした。
しんどかったのは、仕事の中身ではありませんでした。
在宅を約2年担当して、大変だったことと、面白かったことを書きます。



私は新規開局したばかりの綺麗な薬局に惹かれて応募した先が、
在宅メインの薬局だったことがあります。
この記事は、在宅をまだやったことはなく、在宅業務に不安な方へ、
少しでも在宅のハードルが下げられるように過去の経験を元にお伝えしています。
やりたくないと思った瞬間は、仕事の中身ではなかった
在宅で大変なことは、3つあります。
担当が一人に偏ること
最初に勤めた薬局では、在宅は私一人の担当でした。
妊娠により、運転業務のある在宅業務からは離れることになりました。
在宅メインの薬局では、約2年、在宅を担当しました。
ほぼ一人で回っていた時期があり、のちにパートさんが2人入って、分担してもらいました。
コロナ禍は運転手さんがいてくれましたが、訪問は私がほぼ一人で回っていた記憶があります。
訪問先には駐車場がないところも多く、車を停める場所にいつも悩んでいました。
訪問先の環境
不衛生な訪問先も正直あります。
靴下を替えたくなるくらい、不快でした。
できる対策は訪問先用のスリッパを持参する、消毒液を常備する程度です。



担当する患者さんは、選べません。
終わり方が一つではないこと
施設に入る方。急変して病院に送られる方。自宅で最期を迎える方。
私が担当した方では、自宅で最期を迎える方は多くありませんでした。
最期を迎える方を担当するときは、覚悟が必要です。
嫌だとは思わなかったこと
末期の方に、ほぼ毎日のように緊急で麻薬を届けること。
運転は、薬剤師の仕事以外に気を取られるので、自転車で行ける範囲を担当しました。
エリアの7割ほどは、自転車で回れました。
今は、しんどいと思う在宅はありません。
在宅で面白かったのは、いろいろな職種と情報を共有できること


その昔は在宅はまだ、一部の薬局しかやっていなかったのに。
気がつくと在宅はやって当たり前の時代になっています。



個人在宅では患者さんの自宅にお届けして管理するので、薬局での投薬よりもハードルが高く感じる方も多いですよね。
患者宅に訪問するという行動にハードルを感じる方もいる一方。
薬の管理という面から見ると、残薬の管理方法が実際に確認できるのがメリットです。
私が面白いと思ったのは、患者さんを中心に、いろいろな職種と情報を共有できることです。
患者さんは、先生に話せば、それで満足することが多いです。同じ話をあちこちで繰り返す方もいますが、全員ではありません。薬局では、薬剤師にまで話さない患者さんもいます。
在宅では、医師、看護師、介護スタッフと、関わる人が増えます。それぞれの立場から見える患者さんの情報が集まります。一人分は小さな情報でも、集まるとかなりの量になります。
私は、これがとても面白いと思いました。
*在宅でのメリットは何がある?
- 患者本人に会える
- 薬の服用状況や管理方法が実際に確認できる
- ご家族やケアマネなどと連携できる
- 訪問医師との情報共有ができる
- 生活スタイルがわかるので提案しやすい
外来では処方箋越しにしか見えなかった患者さんの生活が、在宅では目の前に広がります。



患者さんを取り巻く環境に入り込んでいくので、薬局で投薬するよりも患者さんとの距離がずっと近くなります!
私の経験の一部となりますが、実際にあったお話を紹介します。
【他職種連携】穏やかなおじいちゃんが豹変!?パニックを救ったケアマネさんとの絆
独居の高齢男性宅への訪問した際のことです。
いつも通りに処方箋が来て、予定の日の同じような時間に訪問しました。
穏やかな方で、訪問の際は薬のセットや体調の聞き取りなどをしていつもは終了です。
皮膚症状もあるので、軟膏の使い分けなども複数あるのですが、看護者がいるので管理も良好でした。
その日は様子が違うのがすぐにわかりました。
困っている様子というよりは、怒っているような表情です。
書類を持って、お金の振り込みが、、、とお話をされています。
連絡をしているが、繋がらないし、、、と半ばパニック状態です。
いつものように穏やかに訪問というわけにはいかなかったので、薬のセットを取り急ぎ済ませて終了。
金銭的な話のようだったので、介入は無理です。
急ぎ、薬局に戻り、ケアマネに報告しておきました。
ケアマネさんより、
普段は穏やかなおじいちゃんなんだけど、お金の管理に関してはすごくナイーブでね。
特に家賃とか住む家の話になると人が変わったようになることもあるのよ。
本人と連絡をとって、その後は落ち着いたので大丈夫ですよ。
というように、他職種のケアマネさんとの連携で、この件も一件落着しました。



患者さんのより身近にいるケアマネさんとは普段から連携しておくとお互いにメリットがあります。頼もしい存在ですね。
【服薬管理】残薬の山がゼロに!大ヒットした「トイレットペーパー式」のアイデア箱


在宅訪問での日常的なお悩みとして、患者さんの服薬向上問題です。
どのようにすれば飲み忘れを防げるのか、飲み間違いなくできるのかですね。



ヘルパーさんがいる日は飲めるけれど、
ご本人だけの時は難しいみたい。



日付を書いても、色をつけてもわからなくなってしまうんです。
患者さんの数だけ、飲めない理由もあるんです。
でも、せっかく処方されている薬は飲めないと意味がないんですよね。
60代の男性患者さんの話です。
薬の必要性を感じていただけず、なかなか残薬がたくさんでした。
往診医にも相談して服用回数を1日1回にしてもらい、これなら飲んでもらえるのではと訪問。
1日1回の服用も難しく、半分くらいは残っている状況でした。
どうしてなのかは不明でしたが、袋から取り出したり、セットされている薬の服用が苦手のようです。
考えた挙句、トイレットペーパーのように引き出して、
その日の薬をちぎって飲むのはどうかと工作をしてオリジナルの管理箱を作成しました。
トイレットペーパー式、大ヒット!飲み残しはほぼゼロに!
なぜ、飲めるようになったのかはいまだにわかりませんが、この患者さんには大ヒットでした。
おかげさまで残薬調整なども少なくなり、薬もきちんと飲めるようになりました。



患者さんのためと思って行動したことが、
結果に結びついた事例です。
薬を飲んでくれることが本当に嬉しかった1件です。
まず求人を見てみるだけでもいい


在宅業務は大変というイメージが先行しているように感じますが、
薬剤師の力量を最大限に発揮できる場面なのではないかと思っています。



薬局で薬を渡している患者さんより、
一歩進んで薬の管理が可能です。



投薬をして、その薬が飲めているかまで確認できるってことね。
それぞれの患者さんの悩みや問題点を見つけて、
医師や他業種やその家族の方と解決していくのはとてもやりがいがあります。



今までなんとなく避けていたけれど、ちょっと気になるかも。
そんなふうに感じたら、在宅を始めてみるいい機会かもしれません。
在宅を受け入れている薬局を探してみる



私も飛び込んでみましたが、在宅面白いです。
おせっかいな性格がいかせています!


